もうネットと放送の融合はいつでもできる(もうしている)

このブログは私の手入れたモノ・コトを書く場所だと思っているのですが、前回のエントリの最後で

それにしてもTVのモニタとPCのモニタをこんな感じで比較するようになるとは・・・

と自分で書いておいてなんかひっかかってました。それは今日

「グーグルに勝つ広告モデル」

を読んでなんとなく納得がいきました。もうネットと放送の融合はいつでもできる、ということです。

この本かなり面白いです。マスメディア業界の方むけに書いていると書かれていますが、むしろIT関連の人にいい内容です。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、それにネットが出てきてそれらメディアの本質と特徴、今後がかなりわかりやすく、なおかつ過去の情報から予測につなげて自分なりの結論まで書いてあります。異論反論もありますが、そこまで含めておそらく書いてあるんだろうな、という含みがあります。読んでいてあちこちで自分なりの気づきがあり、充実した2時間弱でした。これで720円というのは美味しいです。

で、それはやはり視聴する側の立ち位置だったり、姿勢の違い、という視点です。まだ液晶が高値だったころ、ブラウン管モニタの売れ筋が17インチの頃の話から液晶が出始めて画面が19インチとか使い出した頃まで、というより今もですが、PC用のモニタでTVを見るということ、TVでPCの画面を表示するということはなかなか難しいです。ただ実はそれにはただ単に使い回せるとか大きな画面が使えるとか以上の意味があるんだと思うようになりました。

というか、私が最初にさわったコンピュータのJR-200は普通の家庭用テレビのRF端子に繋いでいたものです。文字のにじみがひどく、サイズも14インチでPC専用モニタがとにかくうらやましかったのを覚えています。パチンコ屋の息子がPC専用モニタを持っていて、ラジコン(グラスホッパー)と交換してくれとお願いしたのを今思い出しました。

確かに以前のPC用モニタは色の再現性はいいのですが、鮮やかさが足りず、そのままキャプチャーボードなどを繋いでテレビを表示させると彩度が足りない眠い写りになったものです。かといってテレビですが、私が持っていたPOWERWIDE(95年製ハイビジョンブラウン管)にはD-SUB15ピンがあったものの高解像度が受け入れられず、なおかつ白の文字がにじむためにはやりPCのモニタとしては使えませんでした。

時代は液晶になり、15インチの液晶が5万くらいで買えるようになったころでもPCの画面でテレビを表示してもやっぱりに眠たい鮮やかさの足りない映像でした。調整でもどうしようもないレベルでした。

んで今です。40インチの液晶のBRAVIAにHDMI接続してみました。キレイです、はい。

今使っているMacBookでDVDを見てみました。キレイです、はい。

多少の調整や接続、モードなどの問題がないわけではないですが、もう本質的には壁はないようです。

PC用の24インチのモニタは4万程度。HDMI接続もでき、PS3などのゲームをしている人も価格comを見ると沢山いらっしゃいますし、地デジのレコーダを使えばTVとして使っても、もう問題ありません。

30インチ以上の液晶やプラズマも実売では10万を切っています。フルハイビジョンではないパネルを使っていますが、正直縦方向がハイビジョン(1080)あれば、私は問題ないと思います。人間は横方向の解像度は鈍感なんです。

こうなると、もうハードは問題ではない、ということです。唯一問題になるのが視聴環境です。

私はちょっとしたブレークスルーだと思います。それはPCの動画ウィンドウを無線LANで受信し、TVのHDMIに接続できる機械が1万以下で存在することです。

そういうハードがあるか、もしくははじめからモニタに組み込まれていれば、過去の映像資産なり、Youtubeなどの映像なりを簡単にTVに表示できます。TVはだいたい大きいモニタで食卓からとかソファからとか見るのに最適に位置に置いてあるわけです。TVに表示されるコンテンツの出所はどこからでもよくて、その居住環境で最適の場所においてある表示装置に表示される、ということがもっとも重要なわけです。

もちろん上記のコトは自明なことなので、わざわざ考えることではないかもしれません。それはそうなんですが、ここでのポイントは手間がポイントだと思っています。

手間はステップ3が許されない、ということです。

たとえばラジオ。ラジオは車で聞いたり部屋で聞いたり(最近の子は少ないみたいですが)するときに、電源を入れて選局することで後は勝手に耳に入ってきます。

1、電源を入れる
2、選局する

テレビもそうです。

1、 電源を入れる
2、チャンネルを選ぶ

実は新聞もです。

1、新聞を手に取る
2、新聞を広げる

新聞は受動的なメディアだと私は思っています。広げることで情報が勝手に入ってきます。

ところがPCで操作するネットはそうはいきません。たとえばYoutubeであれば、PCでウェブが見れる環境にする必要がまずあるわけですが、そこを省略したとしても、お気に入りをクリック、Youtubeを探してクリック。もしくはYahooやGoogleをクリックしてyoutubeで検索。結果からyoutubeサイトをクリック。これでサイトにたどり着きますが、そこにはコンテンツはありません。そこからカテゴリやオススメをみてクリックです。やっと再生されますが、全画面ではありません。さらに音量が結構ばらばらなので、毎回音量調節が必要です。ニコニコ動画でも他のサイトでも、Joostなどのアプリ型動画配信でも一緒です。

いやいやSTBやアクトビラなどがある?あればテレビとは競合してないと思います。たしかにネットで動画を見れるという点では実現できているし、チャンネルを変える感覚で動画を見ることはできます。でも、その内容と競合するのはTSUTAYAなどのレンタルDVDなどだと思います。つまり過去の映像資産です。

アクトビラで「ニコニコ動画の今週のDLランキングTOP10」はやらないでしょう。2ちゃんでみつけた面白そうな動画は見れないでしょう。VlogのRSS配信は受けられないでしょう。

もしPCの画面を1ステップでTVの画面に表示できれば、2ステップ目でなにかすることができます。上記のような動画を見ることかもしれないし、RSSチェックかもしれない。メールチェックだったりするかも。ネットゲームもいいですね。

でも現状はこうです。TVのHDMI端子は2つで両方ふさがっているのでまず一つ抜きます。そこにケーブルを差し込みます。次に私のノートPCにケーブルを差し込みます。(ここは据え置きPCでHDMI端子があいていれば省略できます)つぎにテレビをそのHDMI入力端子にリモコンで切り替えます。切り替えたら解像度を調節して表示されるようにします(たまたま私のMacBookは1920×1080なのでそのまま表示されます)

んでTVを視聴できるポイントへ移動します。そこからPCで動画を表示したりいろいろできるのですが、正直ケーブルがうざいです。

細かいことをいえばきりがないですが、とにかく2ステップではおわりません。なんとか3ステップで、というのではだめだと思います。普段HDDレコーダを使っていますが、これでTVの表示はうちでは3ステップです。この1ステップ増加はとてもうざいです。(なので今HDD内蔵のテレビを模索中です。今度のWooプラズマいいですね)

ここまで書いて、実はもうこの環境、ほとんど近いんじゃないか、というのがありました。

PS3(Wiiも含むかな。AppleTVは違うかも)です。PS3はメディアサーバとしての機能があります。それに無線リモコンで操作可能で、電源もリモコンで入れられます。起動もうちのHDDレコーダより全然早いです(実はうちのレコーダは電源切ってません)PS3はRSSの受信もできます。Youtubeやニコニコはアクセスできましたっけ?

キーボードも接続できるしウェブも結構キレイに見れます。

よく考えてみるとPS3の機能を全然使っていない自分に気づきました。いま身近にマウス、TVのリモコン、レコーダのリモコン、スピーカのリモコン、PS3のリモコンが転がっていますが、PS3のリモコンだけでいいのかもしれません。PS3にチューナが内蔵されたPSX3とか出ればですが。

もちろんこれに収益モデル(広告とか有料課金とか)がからんでくるとなかなか違う論理になりそうです。ただ、ネットと放送の融合にはもうそんなに意味がなさそうです。ハード的にはそんなに違いがないし、環境的にはPS3などのゲーム機の多機能化やワンセグケータイの活用、HDDレコーダのCMスキップ、ダビング10などの問題、視聴者との距離感が違うことでの棲み分けなど、もうメディア論は次にいっているようです。

ただ、AIDMAやAISASのA(Attention)を奪っていくのは放送であれネットであれ当分映像が握ることになりそうです。映像にどうかかわっていくかを常に意識していたいと思います。

 

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