RAIDの種類

 RAIDは色々な種類があり、RAID 0、RAID 1、RAID 5などがあります。
 RAID 0は、速度重視です。必要なHDDの台数は、2台以上です。パソコン側からは2台以上のHDDが1台のHDDに見えます。容量は、単純に足し算です(120GBが2台なら240GB、120GBが3台なら360GB)。データの読み書きを複数台のHDDに分けて行うため、1台のときより速くなります。しかし、1台でもHDDが故障すると、すべてのデータが失われます。長期的に使用するよりも、一時的で、速さが求められる処理で、使われることが多いです。RAID 0は、RAIDと名がついていますが、一番RAIDらしくないRAIDです。ので、私はRAID 0の別名ストライピングと言うことが多いです。
 RAID 1は、安全性重視です。必要なHDDの台数は、2台です。パソコン側からは2台のHDDが1台のHDDに見えます。2台のHDDに同じデータを書き込みます。そのため、1台のHDDが故障しても、もう1台の方に同じデータがあるため、問題ありません。容量は、1台分になります(120GBが2台で120GB、200GBが2台で200GB)。速度は落ちることがありますが、少ない予算でデータの安全性を高めることができます。RAIDコントローラによっては、データの読み出し時にRAID 0と同じような効果があるものがあり、読み出しが速くなります。別名ミラーリングと言います。
 RAID 5は、RAIDの意味からすると、RAID 5がRAIDです。HDDは3台以上必要になります。パソコン側からは3台以上のHDDが1台のHDDに見えます。容量は、合計台数-1台になります(HDDが3台なら2台分の容量、HDDが12台なら11台分の容量)。速度も速くなり、データの安全性も高めることができます。HDDが1台壊れただけなら、スペアのHDDに交換し、復旧させることができます。2台以上同時にHDDが壊れたときには、対応できません。2台以上同時に壊れる可能性は低いため、通常問題にならないと思います。RAID 5カードによっては、12台のHDDを接続できるものがあります。12台のHDDを接続できるRAID 5カードに12台のHDDを接続すると、11台分の容量がパソコン側では、1台のHDDとして扱われるため、大容量が必要な際に効果があります。
 ユーザーの使い方で、RAID 0、RAID 1、RAID 5をうまく活用すると、快適なパソコン環境になると思います。
 ・自宅で使っているパソコンやビデオ編集の一時的な作業HDDなら、RAID 0がオススメです。
 ・個人の大事なデータや企業の重要なデータなら、RAID 1がオススメです。
 ・快適な環境を求めるパワーユーザーや企業の重要なデータや大容量HDDなら、RAID 5がオススメです。

 CPUやメモリが速くなりましたが、それに比べHDDはかなり遅いです。そのため、HDDの速度を速くすると体感で速さを感じることができます。パワーユーザーになると、RAID 5やHDDにお金をかけて、快適なパソコン環境を作ることがあります。RAIDにしなくても、HDDは同じ回転数でも、プラッタの容量アップやコントローラの性能アップやキャッシュの容量アップなどで、新しいHDDほど速度が上がっています。5年ぐらい前の7200rpm HDDだと最大13MB/秒ぐらいですが、最新のHDDは最大60MB/秒ぐらい(遅い内周部分でも約25MB/秒)と最大5倍ほど速くなっています。HDDがガリガリいって、なんか遅いなと思ったら、HDDを交換すると速くなるかもしれませんよ。